下水道ストックマネジメント計画に基づいた長寿命化

1.長寿命化の重要性

下水道の標準耐用年数は、一般的な下水環境の下で適切に維持管理が行われている場合、管渠及びポンプ場、処理場の土木・建築構造物で50年、機械・電気設備で10〜30年とされています。このことは、供用開始後10年以上経過すれば、維持管理費の他に設備、施設の改築への投資が、下水道を使用する限り発生することを意味しています。下水道整備済み区域における課題の一つとして、ストックの蓄積と老朽化が挙げられており、安定した下水道サービスの継続のためには、これらストックの適正な管理と経営基盤の強化が求められています。

1-1.下水道長寿命化支援制度

平成20年度より、国土交通省では、「下水道長寿命化支援制度」をスタートさせました。本制度は、通常の下水道事業の採択基準に合致する施設の計画的な改築を行うために必要な点検・調査及び本結果に基づく、ライフサイクルコスト最小化を目的とした長寿命化計画(対策内容、対策時期など)の策定に要する経費を補助対象とし、計画的な長寿命化対策を支援するものです。

1-2.下水道ストックマネジメント支援制度

国土交通省は、平成27年度の改正下水道法において、維持管理基準を創設するとともに、事業計画については維持・修繕及び改築に関する内容も含めたものへと拡充しました。併せて、平成28年度には「下水道ストックマネジメント支援制度」が創設され、増大する改築需要に対応すべく施設全体の管理を最適化するストックマネジメントを推進することとしています。逼迫した自治体財政を考慮すれば、長寿命化計画は厳しい財政制約の下で、新規整備事業、維持管理、改築事業までの下水道事業全般を視野に入れたものであることが求められます。

下水道サービスを安定して継続していくために

2.ストックマネジメント計画(修繕・改築計画)策定プロセス

計画策定にあたっては、一定のサ−ビス水準を確保した上で、ライフサイクルコストの最小化や投資の平準化などにより財政健全化にも寄与できるストックマネジメントの視点を導入することが有効です。ストックマネジメントは下水道施設の計画的整備・管理を効率的に行うための手法であり、下水道経営の全般を対象(人・物・金)としたアセットマネジメントの一部とも言えます。

なお、アセットマネジメントについては【下水道アセットマネジメント】をご覧ください。

下水道ストックマネジメントの導入(平成20年度下水道関係事業予算概要より)

下水道ストックマネジメントの導入(平成20年度下水道関係事業予算概要より)

下水道事業におけるストックマネジメントの実施フロー案

下水道事業におけるストックマネジメントの実施フロー案

標準的耐用年数、LCCを考慮した耐用年数、経済的耐用年数

ライフサイクルコストとリスクを考慮した耐用年数の概念図

費用とリスク、経過年数を考慮したシナリオ

耐用年数の視点に立ったシナリオにおける
期間費用・リスクの概念図

3.業務実績

近5ヶ年の実績(平成30年10月1日現在)

受注年度 発注者 業務名称
平成26年(2014年) 新潟県三条市 下水道施設のストックマネジメントに基づく長寿命化計画
平成28年(2016年) 埼玉県入間市 下水道管路施設のストックマネジメントに基づく施設管理計画
平成28年(2016年) 大阪府豊中市 下水道管路施設のストックマネジメントに基づく施設管理計画
平成28年(2016年) 日本下水道事業団 都城市公共下水道施設のストックマネジメントに基づく長寿命化計画
平成29年(2017年) 日本下水道事業団 東広島市公共下水道施設のストックマネジメントに基づく長寿命化計画
平成29年(2017年) 山梨県流域下水道事務所 下水道施設のストックマネジメントに基づく長寿命化計画
平成29年(2017年) 日本下水道事業団 三笠市公共下水道施設のストックマネジメントに基づく長寿命化計画