下水道アセットマネジメント

アセットマネジメントの位置づけと全体構成

下水道事業は、これまで、国庫補助と起債による大きな資金調達のもと下水道の整備を進めてきました。この結果、多くの自治体で下水道の供用を開始しました。一方で、昭和40年代〜昭和50年代に供用開始した下水道は、30年以上を経過し、施設・設備の劣化と改築更新が大きな問題となりつつあります。 また、公共事業予算が抑制されつつある中、今後の維持管理や改築更新に関わる費用増大により下水道経営はよりいっそう逼迫すると予測されます。

このような状況の中で、これまでの整備・建設を中心に構築された事業運営のしくみから、下水道機能の持続・改良(維持管理・改築更新)を中心にすえた新たな事業運営のしくみを構築し、受益者により質の高い下水道サービスを永続的に提供せねばなりません。

このためには、下水道事業の新たな運営のしくみをアセットマネジメントの視点から考えることが求められています。 下水道事業のアセットマネジメントは3つの【中長期マネジメント】【短期マネジメント】【日常的マネジメント】の段階により構成され、それぞれ、PDCAサイクルを構成します。

アセットマネジメントの位置づけと全体構成

アセットマネジメントを支えるしくみ

アセットマネジメントのPDCAを円滑に進めるためには、下図に示すような【マネジメントを支えるしくみ】と【アカウンタビリティのしくみ】が必要になります。

アセットマネジメントを支えるしくみ

マネジメントにおける目標指標と施設・設備の長寿命化策の評価

アセットマネジメントを支えるしくみ

マネジメントを実行する上で、まず、必要になることは各段階において目標値を設定することです。 これは、アカウンタビリティに必要となる指標も網羅することになります。 各段階における目標指標の例は下の表に示す通りです。

また、下水道には、多くの土木施設、建築施設、機械設備、電気設備があります。 これらの施設・設備を適正に長残寿命化させることは、下水道サービスの向上にもつながります。 アセットマネジメントにおける長寿命化策の評価と改築更新計画の流れは右図の通りです。

目標指標(PI)の例
段階 目標の階層 指標の例(一部)
中長期 事業目標(アウトカム指標)
  • サービス水準:普及率、使用料単価
  • 効果水準:処理水質
  • 環境保全水準:エネルギー自立率
  • 長寿命化水準:良好長寿命資産率
事業執行目標
  • コスト管理水準:汚水処理原価
  • 経営健全性水準:自己資本構成比率
短期 施設管理目標(施設・プロセスごとの維持管理水準)
  • プロセスの処理性能を示す指標
  • ユーティリティ使用量を示す指標
  • 環境負荷の削減指標
  • 予防保全による目標使用年数達成率