【調査】カンボジア国プノンペン都上水道セクター情報収集・確認調査

1.プロジェクトの背景

カンボジア国の上水道セクターは1990年代中頃より本格的な施設の改修・拡充が開始され、プノンペン都では我が国及び他ドナーが連携し浄水場の建設及び改修、運転維持管理にかかる技術支援等が実施され、24時間給水を実現し給水率は90%以上にまで達しました。他方、都周辺地域における人口及び商業施設の増加により水需要が増加し、水供給能力を向上させることが急務となっていました。

プノンペン都南部のカンダル州タクマウ地区は、2004年よりプノンペン都水道公社(PPWSA)より給水されていますが、低所得者層が多く、給水接続料の無償化等の措置が図られていました。

このような状況下、人口増加に対応するためには新たな浄水場の整備が必要ですが、浄水場整備の初期投資を抑え、かつ浄水場運営にかかる日本のノウハウや知見・経験を活かしたいとして事業・運営権対応型無償資金協力(事業権無償)の適用が期待されました。
加えて、プノンペン都の2020年の水需要を満たすために、都北部にバケン浄水場の建設等、借款を期待した給水能力拡張も期待されました。

これら背景から、上記調査では無償「タクマウ上水道拡張計画(仮称)」及び円借款「プノンペン都上水道拡張事業(仮称)」について、カンボジア国政府及び関係機関との協議及び基礎情報の収集・分析を通じ、次に続く協力準備調査の検討準備を行いました。

2.プロジェクトの概要

プロジェクトの内容は以下の通りです。

  • プノンペン都(タクマウ含む)における上水道セクターの現状把握
  • 「タクマウ上水道拡張計画(仮称)」における事業権無償での実施可能性検討
  • 円借款「プノンペン都上水道拡張事業(仮称)」にかかる基礎情報の収集・分析

タクマウ浄水場取水場予定地