【調査】キューバ共和国ハバナ湾汚染源対策調査

プロジェクトの背景・内容

カリブ海諸国で最大の都市であるハバナシティ県は、キューバ国の政治、文化、経済の中心地です。ハバナシティ県の人口は約220万人(2000年時点)でありキューバ国人口1,200万人の約 20 % を占めています。ハバナ湾は閉鎖性の特徴があるため、湾内の水は外洋の海水と交換されにくく、生活排水や工場排水に由来する汚濁負荷が未処理あるいは不十分な処理を受けただけで湾内に放流されているため、湾の水が汚濁され、底泥が蓄積されています。このまま、汚濁制御対策が行われないと、水質汚濁はさらに進行し、富栄養化によって湾の生態系を破壊し、ハバナの観光や経済に悪影響を及ぼすことが懸念されています。このような背景から本調査は下記の3点を目的として実施されました。

  • ハバナ湾流域の下水道マスタープランの策定
  • 優先プロジェクトの妥当性(F/S)検討実施
  • 調査を通じての計画手法などに関するキューバ側カウンターパートへの技術移転

上記目的を達成するため、主に現況把握のための基礎調査を実施し、その後、ハバナ湾の水環境改善に必要な下水道マスタープラン策定のための各種検討、財務・経済評価、優先プロジェクトの選定などを行いました。最終段階として、優先プロジェクトの概略設計とその妥当性検討およびキューバ国側への技術移転を行いました。

キューバ共和国ハバナ湾

プロジェクトの技術的特徴

ハバナ湾の水質汚濁が進行している原因のひとつに大量の汚水が雨水排水路を通して湾へ流入していることがわかりました。これは汚水管が雨水排水路へ接続されているという誤接続問題にありました。そこで調査団員は誤接続の現状調査として、雨水排水路内の汚水流量を考慮し、染料を用いた染色法を適用し、宅内排水管から下水枝線管への接続を調べました。既存の情報と現地調査結果により、誤接続は多く存在しており、調査は長期に渡って詳細に行う必要があることがわかりました。これにより誤接続管の正確な位置と原因を明確にし、それぞれの場合にあった費用効果の高い、適切な誤接続の問題解決策を策定することが必要になると提案しました。

染料で着色した水を汚水マンホールへ投入(左)したところ、汚水管ではなく、雨水管に流入している(右)。

染料で着色した水を汚水マンホールへ投入(左)したところ、汚水管ではなく、雨水管に流入している(右)