3次元モデルによる流速分布算出結果例
3次元モデル
1.【日水コン開発】3次元モデルで局所的な水理水質現象の解析が可能
従来の2次元モデルでは不可能だった局所的な水理水質現象の解析が可能となり、効果的・効率的な対策を選定できます。
- 取水口やフェンス周りの水の流れ、貯水池や湖沼に流入する汚濁水の挙動、入り江などの滞留域での水質現象を再現・評価
- 3次元方向から取水する選択取水設備周辺の水の流れを再現
- 湖沼での浮泥の巻き上げについて、左右岸の地形に応じた評価
- ダム貯水池にある浅層曝気循環施設などの水質保全施設の適正な効果、効率的な施設配置、効果的な運用方法の検討
1‐1.3次元モデルの構成
日水コン開発の3次元モデルは、次のサブモデルから構成しています。
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- 水の流れを解析する3次元不定流モデル
- 3次元水温解析モデル
- 3次元濁水解析モデル
- 3次元水質解析モデル(COD、窒素、リン、DO、植物プランクトンの増殖・死滅を中心とした富栄養化モデル)
1-2.3次元モデルの特徴
処理の効率化や長期間の解析、多数のケース比較が可能に
従来3次元モデルは、演算時間が長くかかるため年単位の長期間の解析には向いていませんでしたが、日水コンが開発した3次元モデルでは、並列処理の導入により演算時間を大幅に短縮し、長期間の解析が可能となりました。また、3次元モデルの計算には、計算条件の設定や出力結果の処理に多くの時間を要しましたが、日水コンが開発したGUI(Graphic User Interface)により処理効率が大幅にアップしました。
3次元モデルによる濃度分布解析例
2.3次元モデルとのカップリング
2‐1.底質評価モデル
3次元モデルと底質評価モデルとのカップリングにより、浅い湖沼の負荷源となる底質の変化と水質への影響を適正に評価することができます。
底質モデルの構成
2-2.粒子追跡法
粒子追跡法とのカップリングにより、貯水池に流入する粒子の位置が計算でき、濁水防止フェンス等の対策の有効性を表現することができます。
粒子追跡法による濁水の挙動解析
2-3.重金属や有害物質の評価モデル
重金属や有害物質モデルとのカップリングにより、鉄やヒ素の溶出の評価を行うことができます。
3.業務実績
近5ヶ年の実績(平成30年10月1日現在)
受注年度 | 発注者 | 業務名称 |
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平成25年(2013年) | 中部地方整備局矢作ダム管理所 | 平成25年度矢作ダム濁水対策検討業務 |
平成25年(2013年) | 東北地方整備局鳴子ダム管理所 | 鳴子ダム貯水池濁水対策検討業務 |
平成25年(2013年) | 東北地方整備局最上川ダム統合管理事務所 | 寒河江ダム貯水池運用検討業務 |
平成26年(2014年) | 中部地方整備局木曽川下流河川事務所 | 平成26年度木曽三川下流部水質予測検討業務 |
平成26年(2014年) | 東北地方整備局最上川ダム統合管理事務所 | 寒河江ダム貯水池対策検討業務 |
平成26年(2014年) | 大阪府富田林土木事務所 | 狭山池ダム水質改善検討委託(H26) |
平成27年(2015年) | 東北地方整備局最上川ダム統合管理事務所 | 寒河江ダム貯水池対策検討業務 |
平成28年(2016年) | 関東地方整備局霞ヶ浦導水工事事務所 | H28桜川導水運用方法等検討業務 |