平面2次元

1.防災ニーズの高まり

1‐1.河川整備計画に基づく河川改修の進捗

河川法改正に伴い河川整備基本方針及び河川整備計画が全国で見直され、河川整備計画に基づく河川事業が推進されています。中でも、河積を確保しつつ災害ポテンシャルも低減可能な河道掘削や河道内構造物の撤去・改築・新築といった事業は、治水安全度向上への効果が大きい事業として期待されています。近年の社会情勢から防災へのニーズは高まっており、今後も河川事業の推進による治水安全度の向上が求められています。

1‐2.河道応答予測の必要性

河道掘削や河道内構造物の撤去・改築・新築を実施していくにあたっては、事業に対する河道応答への適切な配慮が必要です。河道掘削を行っても河道が安定せず再堆積してしまうようでは、事業の効果が持続しません。構造物の改築による流砂系の変化が、護岸の洗掘・被災を誘発することや、事業による河床材料の粗粒化が砂泥を好む底生生物の生息場を奪うような生態系への悪影響も考えられます。このような事態を避けるため、事業実施に先立って河道応答予測を実施し、適切な対応策を講じることが重要です。

kashou-simulation01

図1 効果的な改修として期待される河道掘削事業

2.平面2次元河床変動シミュレーション

2-1.河床変動予測評価

平面2次元河床変動シミュレーションでは、河道内の流れから土砂を移動させる掃流力を算出することで粒径別の土砂移動を計算し、洪水等による河床変動を予測します(図2、図3参照)。

平面2次元河床変動シミュレーションによる 河道応答予測を用いた事業計画検討のイメージ

図2 平面2次元河床変動シミュレーションによる河道応答予測を用いた事業計画検討のイメージ

事業実施による河床変動予測計算結果の事例

図3 事業実施による河床変動予測計算結果の事例

2‐2.物理環境予測評価

平面2次元河床変動シミュレーション技術により、物理環境変化の予測評価も可能です。

1)底質環境の予測評価

河道掘削事業等の実施に伴う底質粒径の時系列変化の予測が可能であるため、事業実施後の底質環境が生態系にとって望ましいのか、またそのような底質環境が形成される時期といった時間スケールの予測評価も可能です(図4参照)。

事業実施後の底質環境の評価結果事例

図4 事業実施後の底質環境の評価結果事例

2)平面的な流況や定期的攪乱等への影響予測評価

流量規模別の流速変化や河床高の時系列変化の面的な予測評価、無次元掃流力を指標とした定期的攪乱の予測評価も可能です(図5参照)。

事業実施後の物理環境の評価結果事例(流況・河床形状・攪乱)

図5 事業実施後の物理環境の評価結果事例(流況・河床形状・攪乱)

3.その他

3-1.ライフサイクルコストの観点で適切な掘削河道の検討

掘削河道の安定性の維持が困難な場合には、維持浚渫量等の検討を行い、河道掘削費用(イニシャルコスト)と維持浚渫費用(ランニングコスト)を踏まえた総費用の観点で適切な掘削河道等の検討をご提案します。50年といった長期予測が必要な場合には、平面2次元河床変動解析により平面的な土砂動態を把握した上で、その特性を反映した1次元河床変動解析モデルを構築し、長期的な土砂動態の平面分布把握も可能です。

3-2.土砂還元における還元土砂仮置方法の検討

ダム貯水池への堆積土砂の下流河川への還元においては、施工性や費用及び効果(還元されやすさ、下流物理環境の改善等)の観点で設置場所や設置形状の設定が重要です。日水コンでは、平面2次元河床変動シミュレーションにより出水時土砂動態を考慮した効果的な仮置方法の検討をご提案します。

4.業務実績

近5ヶ年の実績(平成30年10月1日現在)

受注年度 発注者 業務名称
平成25年(2013年) 関東地方整備局下館河川事務所 H25小貝川中流部河道整備検討設計業務
平成26年(2014年) 神奈川県県西土木事務所 平成26年度河川改修工事県単(その10)酒匂川水系河川整備基本方針検討業務委託
平成27年(2015年) 関東地方整備局常陸河川国道事務所 H27久慈川河道計画検討業務
平成27年(2015年) 札幌市 平岸第1幹線豊平川横断工区基本検討業務
平成27年(2015年) 近畿地方整備局淀川河川事務所 淀川水制工土砂動態他業務
平成28年(2016年) 福岡県那珂県土整備事務所 那珂川プロジェクトマネジメント(基本計画検討編)業務委託
平成28年(2016年) 関東地方整備局常陸河川国道事務所 H28久慈川河道計画検討業務
平成29年(2017年) 近畿地方整備局淀川河川事務所 淀川ワンド再生影響評価業務