分布型洪水予測モデルによるダム流入量予測システム

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1.分布型洪水予測モデルの構築

日水コンでは、アルゴリズムの見直しにより計算時間の短縮化を図り、①~④が実行可能で、かつ、リアルタイム(10分間隔)に予測できるシステムを構築しています。

  1. 国土交通省・気象庁のレーダー雨量(実績値)及び気象庁のメッシュ予測雨量の取込み
  2. 各ダムで定められた操作規則に基づく洪水調節計算(ただし書き操作を含む)
  3. 各ダムの洪水調節計算(放流量)に応じた下流河川の水位・流量予測
  4. 感度分析できる機能の付加

具体的には、予測降雨量を1.2倍など任意に設定した場合の流出量の計算、操作規則と異なった放流量とした場合の貯水量や下流河川の水位・流量の計算が可能です。

2. ダム流入量予測システムの構築

ダムや河川の特性やお客さまのニーズに合った画面表示レイアウトや機能を持つシステムを構築します。

2-1. 予測結果をリアルタイムで表示

常時(365日24時間)自動的に予測しますので、いつでもリアルタイムで計算結果を確認できます。

  • 実績雨量(レーダー雨量)
  • 予測雨量(メッシュデータ)
  • 分布型洪水予測モデルの計算及び計算結果の表示 等

2-2. 予測計算により様々な分析が可能

ダム貯水量や放流量等の予測結果を見て、任意に雨量や放流量を変更した場合の予測計算が実施可能であり、さまざまな分析が可能です。

図1 予測システムの画面イメージ
図1 予測システムの画面イメージ

2-3. 予測結果の補正機能

現在時刻(予測時点)の洪水予測モデルの予測値と実績値に差が見られる場合は、過去の実績値で強制的に置き換える等の補正を行い、現在時刻以降の予測精度を高めます。

図2 予測結果の補正イメージ
図2 予測結果の補正イメージ

(参考)分布型モデルの特徴

図3 流入・流出量予測における集中型モデルと分布型モデルの比較
図3 流入・流出量予測における集中型モデルと分布型モデルの比較

近年、国土数値情報(流域のメッシュデータ)や解像度が高い気象レーダー、予測精度の高い気象予測(降水短時間予報)が整備されるとともに、集中型モデルから分布型モデルへの転換が進んでいます。

【集中型モデル】
計算に必要な降雨データ数も少なく比較的簡単に計算でき、システム化も容易ですが、再現精度・予測精度に課題があります。

【分布型モデル】
計算に必要なデータは多くなり、システム化も複雑になりますが、流域の標高や地質データ等より流域特性を考慮できること、表層モデルと地下水モデルへの分離、河川部については河道モデルとすることにより水の流れを忠実に再現できること、また、レーダー降雨データをメッシュにそのまま与えられることなどから、再現性向上が期待できます。

3. 業務実績

受注年度 発注者 業務名称
2014 独立行政法人水資源機構 分布型流出予測システム構築