河川の「自然再生」に関する調査・検討
1. 川の自然と再生への課題
川の自然は、上下流の縦方向のつながりや支川、水路、周辺の利用地(水田等)との横方向のつながりを持ち、場所や時間によって様々に変化することが特徴です。このようなつながりがある川では、他の地域とは異なる生態を持つ多くの生物を育み、同時に人と川との良好な関係を育んできました。
近代化の過程で損なわれてきた川の自然に対して、河川法の改正や自然再生推進法の施行などによって改善が試みられてきました。しかし、「何を目標にどこまでやれば良いの?」「行政と住民の役割分担はどうすれば良いの?」「管理が大変・・・」「やってはみたもののうまくいかない・・・」など、計画から実行、管理、手直しに至る様々な場面で課題があります。
図1 遠賀川の自然(福岡県)
2. 「その川らしさ」の自然再生を支援
「自然」は地理・地形条件や人の関わり方で異なる“姿”になり、「川」はさらに川自身の特徴によって様々な“表情”を見せます。つまり、川は川ごとに「その川らしさ」を持っています。自然再生とは、その川が元来持っている「自然」を再生し、周辺に住む人の豊かな生活文化を再生することだと捉えています。「その川らしさ」の再生に重要なことは、その川が持つ「川をつくる働き」を再生することです。また目標(指標)とする生物を考えるときも、このような働きでつくられる「場」とあわせて考えることが重要になります。
当社は全国の川(農村環境も含む)での調査・検討の実績を有し、生物・水質・水理・設計・合意形成などの各分野の技術者が「自然再生」に取り組んでいます。この「豊富な経験と協働の力」が当社の強みです。川の自然と川を取り巻く現状を正確に捉え、将来のあるべき姿を描いて課題解決のためのご提案、現状の分析・把握、目標の検討、対策の提案、合意形成等をサポートいたします。
図2 利根川下流部の中水敷の湿地化
3. 業務実績
受注年度 | 発注者 | 業務名称 |
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2020 | 国土交通省関東地方整備局荒川上流河川事務所 | R2荒川太郎右衛門地区自然再生検討業務(JV) |
2016 | 関東地方整備局利根川下流河川事務所 | H28利根川下流部自然再生検討業務(JV) |
2009 | 関東地方整備局利根川下流河川事務所 | H21利根川下流部水環境改善検討業務 |
2007 | 国土交通省九州地方整備局遠賀川河川事務所 | 樋門・樋管改良型自然再生事業検討業務 |