感染症適応社会を実現するリアルタイム下水監視システムの開発研究を開始
―令和3年度国土交通省下水道応用研究に採択―

プレスリリース

この度、国立大学法人東北大学(総長:大野 英男、以降、東北大学)大学院工学研究科の佐野 大輔教授らの研究グループ、国立大学法人北海道大学(総長:寳金 清博、以降、北海道大学)、仙台市(市長:郡 和子)、ユニアデックス株式会社(代表取締役社長:東 常夫)、三機工業株式会社(代表取締役社長:石田 博一)、株式会社明電舎(取締役社長:三井田 健)及び株式会社日水コンは、共同で都市下水に含まれる疫学情報をリアルタイムに取り出し、下水集水域コミュニティの健康情報として活用し、同時に下水処理の運転制御に役立てるシステム開発の研究を開始いたしました。

発表のポイント

  • 都市下水中の感染症関連バイオマーカーをリアルタイムにモニタリングした結果から、市中での感染症罹患者数と下水中病原体濃度を予測する統計モデルを構築する研究を開始しました。
  • 本システムでは、感染症罹患者数の予測情報を社会に感染症流行情報として発信し、かつ下水中病原体濃度予測情報を下水処理場における消毒強度の制御に活用します。
  • 本システムの確立により、様々な感染症に対して適応した社会の実現を目指します。

概要

昨今、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっていますが、その他にもインフルエンザウイルス、ノロウイルス、デングウイルス等の脅威があり、感染症流行の予測や早期対応が求められています。下水処理区域内の住民の糞尿が排出される都市下水には、これらの対応を実現するための大変有用な疫学情報が含まれています。都市下水には医療機関を受診する患者のみならず症状が出ていない感染者からの糞尿も含まれるので、我が国の都市部のように下水道システムが発達した社会であれば、得られた下水水質は疫学情報として効果的に活用することが可能です。

本研究では、信頼性の高い感染症関連物質モニタリング技術を下水道インフラに設置し、そのモニタリング結果から感染症罹患者数と下水中病原体濃度をリアルタイムに推定し、その情報を社会に向けて発信することでコミュニティ全体が感染予防に動くように働きかけると同時に、消毒処理強度を自動制御して安全な下水処理水を得る新たな社会システムの構築を目指します(図1)。医療機関では把握しきれない無症状者を含む感染者の疫学情報をキャッチできる、下水道システムが発達した我が国ならではの画期的なシステムになることが期待されます。

なお、本研究は国土交通省・下水道応用研究のサポートにより行われます。

感染症適応社会を実現するリアルタイム下水監視システム

図1.本研究で確立を目指す感染症適応社会の概念図

注1)GAIA(Gesuido Academic Incubation to Advanced):国交省下水道部が、下水道の政策課題の解決を目的に大学等の研究機関が有する先端的な技術の活用や実用化を促進し成果の普及を図るため実施する下水道研究開発
注2)ARD(Automatic Relevance Determination):目的変数に対する個々の説明変数の寄与の大きさを見積もる手法

各機関の役割

各機関の主な役割は以下のとおりです。

東北大学 研究代表及び下水水質解析、モデル構築・検証
北海道大学 バイオマーカーセンサー開発
仙台市 都市下水サンプル及び実証実験の場の提供
日水コン モデル実証実験支援
ユニアデックス 感染症罹患者数及び都市下水中ウイルス濃度予測モデルの構築
三機工業 下水水質解析
明電舎 バイオマーカー測定装置試作

今後の展開

当社は、これまで全国の下水道事業に数多く携わり、管理者と市民のニーズを熟知しています。
今後は、各機関との協力により、本システムを確立し、水平展開を行うとともに、持続可能な社会の実現とさらなる発展に寄与して参る所存です。

※ 本プレスリリースは、東北大学大学院工学研究科、北海道大学、仙台市、ユニアデックス株式会社、三機工業株式会社、株式会社明電舎及び株式会社日水コンの共同プレスリリースです。重複して配信される場合がありますことを、ご了承お願いいたします。

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