水防団待機水位・避難判断水位等の見直し

見直しの必要性

中小河川は治水安全度が計画・現状ともに低く、また、近年、集中豪雨・ゲリラ豪雨が多発しており、水防活動・避難といったソフト的方策による防災・減災がきわめて重要です。

水防団待機水位・はん濫注意水位・避難判断水位といった基準は、水防活動・避難といった行動の意思決定の拠り所であり、きわめて重要です。

しかし、水防団待機水位・はん濫注意水位・避難判断水位の設定値が実際の状況と合っておらず、意思決定の基準として機能を果たしていない事例が見られます。その都度の状況判断・勘と経験に基づいた状況判断は、豪雨発生時の危機管理対応の労力を無駄に消費するものであり、また、それ自体が非常に危険な状況と言えます。

想定される不具合の原因と対策

水防団待機水位・避難判断水位等の不具合の原因は, 河川・水位観測所ごとにさまざまですが, 一般的に次のような要因が見受けられます。

  • ● 水位観測所の位置が良くない
  •    → ネック地点との位置関係・水理的な関係(断面形状、流量変化など)が適切でない
  •    → 水位観測所の位置自体が洪水観測地点として不適である。(断面形状、横断工作物の存在など)
  • ● ネック地点の選定などに改善の余地がある
  •    → 背後地の状況(そこを対象として水防・避難を本当に行うのか)
  •    → 流下能力の算定根拠(築堤/掘込みの判断など)
  • ● ネック地点と水位計地点の相対関係を定める水理水文条件の設定に改善の余地がある
  •    → 不等流計算の精度。
         現況合わせが行われているか(計画値のみの場合が多い)。
         現象の対象となる中小出水での適合度合いはどうか
  •    → 流量配分の精度。
         計画値を適用している場合がほとんどだが、計画値は支川や田畑でのはん濫をゼロと見て、
         河道に流している安全側の設定である。これを避難判断水位の設定に適用すると、
         避難判断水位などを低めに設定する方向となる。
  • ● 既往発生頻度からのクロスチェックが必要
  • ● 地元水防管理団体・水防団への聞き取りによる精度向上(および意思統一)が重要
  • ● そもそも必要な区間をすべて検討していないこともある。(横断データなどの整備状況から)

見直しに向けた流れ

見直しに向けた流れ

見直し例

見直し事例を示します。当該河川では実際の洪水状況と反して水防団待機水位が頻発することが問題となっていましたが, 精査・見直しによって現実により近い値となりました。

避難判断水位についても, 浸水条件・水位縦断等の見直し・精査を行い, (既往の発生頻度は変わらないものの)より妥当な設定値を得ました。

 現行値見直し値
水防団待機水位0.9m (15 回/15 年)1.3m ( 2 回/15 年)
はん濫注意水位1.4m ( 2 回/15 年)1.7m ( 2 回/15 年)
避難判断水位1.5m ( 2 回/15 年)1.8m ( 2 回/15 年)

日水コンの関連業務実績

年 度発 注 者業 務 名 称TECRIS
平成19年度宇陀川他情報基盤整備事業設計委託奈良県宇陀土木事務所3000-876270
平成18年度久慈川河道計画検討業務国土交通省関東地方整備局常陸河川国道事務所3000-726596
平成17年度久慈川河道計画調査検討業務国土交通省関東地方整備局常陸河川国道事務所
(事務所長表彰)
3000-592004

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