リモートセンシングによる河川水温調査

目的

河川における生態系と水質の相互的な関係について様々な知見が報告されていますが、中でも、河川水温が生態系に与える影響は少なくありません。例えば魚類の産卵では、産卵時期に適した水温があり、多摩川ではアユが産卵を開始するのは、水温が20℃を下回り、18℃〜16℃の頃に産卵のピークを迎えることが知られています。

その一方で、都市域においては、都市活動に伴い大量の水とエネルギーが消費されており、下水道整備の進んだ都市では、河川へ排出される下水処理水が放流先の生態系に与える影響も少なくありません。

こうした河川環境の課題認識は比較的に新しい問題であり、従来の河川管理において河川水温は、定期採水調査時などに観測されていますが、観測地点の水温把握にとどまります。

そこで、流入する排水等による河川水温へのインパクトの空間的分布や大きさを、視覚的に把握することができる「リモートセンシングによる水温調査」を、ご提案いたします。

調査方法

リモートセンシング(remote sensing)とは、人工衛星や航空機などに搭載された計測器によって、地表の様々な現象を電磁波の特性を利用して、広い範囲に渡り直接触れずに調査する方法の総称です。

今回ご提案する調査では、

  1. 可視画像を撮影するビデオカメラと
  2. 熱赤外画像を撮影する赤外線カメラの

2種類のカメラを搭載した小型ヘリコプターを用いて、調査対象河川の上空1,000m程度から空撮を行い、GISを用いた画像解析により河川水の表層水温を把握するものです。

以下では多摩川における調査事例(平成17年11月8日撮影)を示します。これは空撮した動画像をGISを用いて繋ぎ合わせしたものです。この図面はS=1/25,000のスケールで作図していますが、地図情報はGIS化されているので、空撮画像の解像度の範囲内において任意のスケールで作図することが可能です。

多摩川における調査事例(平成17年11月8日撮影)

調査結果の活用例

リモートセンシングによる水温調査の結果は、次のような検討に活用できます。

  1. 下水処理水などの温排水が河川にもたらす影響の空間的把握
  2. アユの産卵場所等の情報との重ね合わせによる河川水温の生態系への影響検討
  3. 夏は水温が低く冬は水温が高い特性を利用した「湧水地点」の概略把握
  4. ダム湖等における循環施設の稼動状況モニタリング ほか

日水コンの関連業務実績

  • ● 平成18年度多摩川低水管理等検討業務(関東地方整備局京浜河川事務所)
  • ● 平成17年度多摩川下水放流水影響調査(関東地方整備局京浜河川事務所)

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