生活排水対策に関する社会実験

社会実験とは?

我が国の水環境は、下水道整備や河川浄化の進捗によって、都市域を中心としてかなり改善されてきました。しかし、都市の周辺地域などでは効率的な下水道整備が進みにくく、水質の改善が遅れている河川も多く見られます。こうした地域では、ハード対策と並んで住民と行政が連携したソフト対策がより重要となってきます。

社会実験とは、「社会に大きな影響を与える可能性が高い新しい施策の導入に先立ち、場所と期間を限定して、地域の方々に試行的に施策を体験していただくことにより、施策を評価し、本格的に導入するか否かの判断材料を得るもの」というように定義されています。

道路事業では高速道路の割引実験などの事例が多く見られますが、河川事業での事例は少ないのが現状です。

今回、ご提案させていただくのは、上記の社会実験の定義に加えて“実験に参加することで、住民の水環境への意識を高める”ことも目的とした「生活排水対策に関する社会実験の計画検討及び実施」です。

社会実験の手順

社会実験手順

大和川の事例(記者発表資料 -H17.4.13- より)

住民アンケート結果

住民アンケート結果

  • 内容
    • 実施日 : 平成17年3月6日(日曜日)終日
    • 対  象 : 大和川流域
    • 家庭で実践していただいた3つの主な取り組み
      1. 食事は食べる分量だけ作り、残らないようにする
      2. 食べ残しや残りクズは流さず、三角コーナーかゴミ箱へ
      3. 食器やフライパンなどの汚れは拭き取ってから洗う
  • 社会実験直後に流域内の1,000世帯を無作為抽出し、郵送アンケートを実施した結果、社会実験に参加していた世帯は15%という結果でした。
  • 本川8地点の平均BODでは、10.2mg/Lから9.5mg/Lと、約7%の改善率でした。全44地点の平均では7.7mg/Lから7.8mg/Lと、ほとんど変わりませんでした。
  • 下水道普及・接続状況の異なる3つのモデル地区流末で流量・水質調査を実施し、社会実験前後のBOD負荷量を比較したところ、下水道の普及が不十分な地区では、負荷量の減少率がそれぞれ約2.3%、約8.3%とわずかに改善していました。
本川8地点平均及びモデル地区における社会実験前後の水質・負荷量比較グラフ

本川8地点平均及びモデル地区における社会実験前後の水質・負荷量比較

社会実験に係わる日水コンの業務実績

● 平成16年度大和川水環境管理検討業務 (近畿地方整備局大和川河川事務所)
  • ・ 生活排水対策に関する流域一斉社会実験の計画策定、水質調査、結果の解析、公表資料作成等
● 平成14年度大和川水環境管理検討業務 (近畿地方整備局大和川河川事務所)
  • ・ モデル地区約20世帯を対象とした生活排水対策の効果検証計画策定、調査実施、水質調査、結果の解析等
● 平成12年度ディスポーザ導入の費用便益分析に関する調査業務 (建設省土木研究所)
  • ・ 北海道歌登町におけるディスポーザ導入社会実験に関する費用便益分析等
● 平成16年度ディスポーザ導入社会実験最終報告書作成業務 (国土交通省国土技術政策総合研究所)
  • ・ 北海道歌登町で平成12〜15年度に実施されたディスポーザ導入社会実験に関する最終報告書とりまとめ等
● 平成17年度木津川上流水質管理他検討業務 (近畿地方整備局木津川上流河川事務所)
  • ・ 生活排水対策に関する社会実験の計画検討
● 平成19年度遠賀川水系水環境改善実態調査検討業務 (九州地方整備局遠賀川河川事務所)
  • ・ 生活排水対策に関する社会実験の計画立案と実施
● 平成21年度遠賀川水系水環境改善計画推進検討業務 (九州地方整備局遠賀川河川事務所)
  • ・ 生活排水対策に関する社会実験の計画立案とフォローアップアンケート

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