水質汚濁レベルの高い河川における植生浄化のご提案

植生浄化の浄化機構

植生浄化の浄化機構

植生浄化の浄化機構

出典:植生浄化施設計画の技術資料,H14.12,(財)河川環境管理財団

 植生浄化法は、植物を配した浄化施設に河川水等を導き、浄化施設内での沈殿、土壌への吸着、植物による吸収、分解により流入水中の汚濁物質を除去するもので、BOD、SSとともに窒素、リンの栄養塩の除去が期待できる浄化方式である。 本浄化法は、省エネルギー的に施工、維持管理できるほか、浄化施設自体が生物の生息・生育の場になることが特徴として挙げられる。

植生浄化施設の流入水質

我が国における植生浄化法は、富栄養化が問題となるダム貯水池や湖沼に流入する河川や排水路に栄養塩除去を期待して適用されることが多かったが、近年は、ヨシなどによる固液分離機能が着目され、BOD、SSの除去対策としても適用されるようになった。

アンケート調査によれば、植生浄化施設の流入BOD濃度は、6mg/L以下が多く、汚濁レベルの高い河川等への適用例は少ない

植生浄化法の問題点

● 水質が汚濁した河川の場合・・・・

水質汚濁の進行した河川等の場合、特に生活排水等による有機性汚濁の著しい河川等の場合は、SS濃度が高く、溶存酸素濃度が低い場合が多い。 このような排水を植生浄化に流入させた場合は、汚泥の堆積や嫌気化により、腐敗や悪臭の発生、植物の枯死などの問題が発生することが懸念される。

このため、沈殿池等の前処理を設ける対策が考えられるが、単純にSS成分を沈殿除去した場合には、沈殿池での腐敗・悪臭の発生や汚泥処理の手間とコストが発生するなど、新たな問題が発生する。

汚濁河川に対する植生浄化の提案

汚濁河川型植生浄化のフロー

汚濁河川型植生浄化のフロー

汚濁河川に植生浄化を適用した場合の問題点を解決するための対策として、前処理に礫を接触材として使用した接触曝気槽(曝気礫間)が設けることを提案する。

曝気礫間を設けることにより、植生浄化や河川の自浄作用では除去し難い溶解性有機汚濁を除去するとともに溶存酸素を供給し、後段の植生浄化を良好に機能させる。

また、曝気礫間は素掘り構造が可能となるため、鉄筋コンクリート造に比べ工事費も安価となる。

曝気槽

河川の自浄作用では除去され難いD−BODの除去を中心に、溶解性汚濁物質を接触材(礫)表面に付着した生物により分解,除去する。生物膜は、厚くなると接触材から剥離して流出し、植生浄化施設で補足される。曝気槽は常時全面を曝気することから汚泥堆積による目詰まりはない(メンテナンスフリー)

植生浄化

前段の曝気槽より剥離した生物膜や無機態SS等の懸濁物質を捕捉し除去する。また、植生浄化では、この外に窒素,リンも吸収できるとともに、生物の生息環境や環境教育の場の提供にもなる。

汚濁河川に対する植生浄化の提案

● 百間川(中国地方整備局 岡山河川事務所)における事例

百間川の浄化施設イメージ

百間川の浄化施設イメージ

百間川では、平成16年5月より汚濁河川型の植生浄化施設が建設され、現在3基が稼動中である。 1号機となった施設は、供用開始以来3年経過した時点で、未だ汚泥処理をすることなく運転されており、良好な運転結果が得られている(下表参照)。

  
 供用開始 計画水量
(m3/s)
流入BOD
(mg/L)
流出BOD
(mg/L)
 
H浄化施設平成16年5月0.17515.06.8計画値
-7.91.5運転実績(H17.10-H18.5)
S浄化施設平成16年7月0.10415.06.8計画値
-17.71.0運転実績(H17.10-H18.5)

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