水道水質基準について
水安全計画策定、水質検査について
水質基準について
水道水の水質基準は平成16年にWHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインの改訂にあわせて、厚生労働省にて大幅な見直しが行われ施行されました。その後、平成20年、21年に一部改正され、今日に至っています。平成16年の改正の概要は以下のとおりです。
- 水質基準項目を46項目から50項目に変更
- 新たに27項目の水質管理目標値を設定
- 水質検査における精度と信頼性保証の確保
- 水質検査計画の策定
その後、平成20年4月より塩素酸が基準項目に移されました。更に、平成21年4月より水質基準項目だった1,1-ジクロロエチレンが水質管理目標設定項目に、シス-1,2-ジクロロエチレンをシス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンに変更し、有機物(全有機炭素(TOC)の量)を3mg/L以下に強化しています。
自己責任による水質検査
平成16年の改正では、地域性・効率性を踏まえた事業体の自己責任による水質検査の柔軟な運用についても提言されています。
| (1) | すべての水道事業者等に水質検査を義務付ける項目は基本的なものに限り、その他の項目については、各水道事業者等の状況に応じて省略することができる。 |
| (2) | 水質検査の省略につき、水道事業者等が適切に判断できるよう、省略の可否に関する指針を明示する。 |
| (3) | 水質検査の適正化と透明性を確保するため、水道事業者等に対し、水質検査項目(省略する場合にはその理由)を明示した水質検査計画を作成させ、これを事前に公表させる。 |
これを踏まえ、厚生労働省は、平成15年9月29日付で水道水質基準改正に伴う水道法施行規則の一部改正を定めた省令を公布しました。その中で、定期水質検査頻度について、次のように述べています。
| (1) | 定期検査項目として、基準50項目+色+濁り+消毒とする。 |
| (2) | 検査頻度は「1日1回以上」、「概ね3ヶ月に1回以上」などに細分化するが、カドミウム・水銀などの28項目は原水や水源とその周辺状況などによって、その頻度を減らすことが可能とする。 |
こうした効率化の一方で、水道事業者には事業開始年度開始前に水質検査計画の策定が義務化され、その内容も規定されています。
水安全計画策定のご提案
水道水の安全性を一層高め、今後とも国民が安心しておいしく飲める水道水を安定的に供給していくためには、水源から給水栓に至る統合的な水質管理を実現することが重要であり、水道ビジョン(平成20年7月改訂)においても、統合的アプローチにより水道水質管理水準の向上を図るものとされているところです。
一方、WHO(世界保健機関)では、食品製造分野で確立されているHACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方を導入し、水源から給水栓に至る各段階で危害評価と危害管理を行い、安全な水の供給を確実にする水道システムを構築する「水安全計画」(Water Safety Plan;WSP)を提唱しています。 厚生労働省においては、水安全計画策定のためのガイドラインを平成20年5月、支援ツールを同年12月に公表しています。また、厚生労働省では、水安全計画の策定を平成23年頃を目途に行うことが望ましいとしています。
私たちはガイドライン策定に関係したノウハウを生かして、水安全計画策定のお手伝いをいたします。
業務実績
| 発 注 者 | 業 務 名 称 | 年 度 |
|---|---|---|
| 東京都水道局 | 水源流域の実態に関する調査委託(水安全計画に関する調査研究委託) | 2005 |
| 東京都水道局 | 水安全計画に関する調査研究委託 | 2006 |
| 日本水道協会 | 水安全計画策定ガイドライン作成に関する調査(その1〜その3) | 2005〜2007 |
| 芦屋市水道部 | 水安全計画策定予備調査業務、水安全計画策定業務 | 2008〜2009 |
| 茨城県企業局 | 水安全計画資料作成等業務委託 | 2009〜2010 |
定期水質検査項目の検査頻度と省略の可否
| 番号 | 項 目 | 基準値(mg/L) | 検査頻度 | 検査の省略 | |
|---|---|---|---|---|---|
| a | 色 | 1日1回以上 | 不可 | ||
| b | 濁り | ||||
| c | 消毒の残留効果 | ||||
| 基01 | 一般細菌 | 100個/mL | 概ね1ヶ月に1回以上 | ||
| 基02 | 大腸菌 | 不検出 | |||
| 基03 | カドミウム及びその化合物 | 0.003 | 概ね3ヶ月に1回以上 | 1)、2) | 可 |
| 基04 | 水銀及びその化合 | 0.0005 | 1)、2) | ||
| 基05 | セレン及びその化合物 | 0.01 | 1)、2) | ||
| 基06 | 鉛及びその化合物 | 0.01 | |||
| 基07 | ヒ素及びその化合物 | 0.01 | 1)、2) | ||
| 基08 | 六価クロム化合物 | 0.05 | 2) | ||
| 基09 | シアン化物イオン及び塩化シアン | 0.01 | 不可 | ||
| 基10 | 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 | 10 | 1)、2) | ||
| 基11 | フッ素及びその化合物 | 0.8 | 1)、2) | 可 | |
| 基12 | ホウ素及びその化合物 | 1.0 | 1)、2) | (可)* | |
| 基13 | 四塩化炭素 | 0.002 | 1)、2) | 可 | |
| 基14 | 1,4−ジオキサン | 0.05 | 1)、2) | ||
| 基15 | シス-1,2−ジクロロエチレン及び トランス-1,2−ジクロロエチレン | 0.04 | 1)、2) | ||
| 基16 | ジクロロメタン | 0.02 | 1)、2) | ||
| 基17 | テトラクロロエチレン | 0.01 | 1)、2) | ||
| 基18 | トリクロロエチレン | 0.01 | 1)、2) | ||
| 基19 | ベンゼン | 0.01 | 1)、2) | ||
| 基20 | 塩素酸 | 0.6 | 不可 | ||
| 基21 | クロロ酢酸 | 0.02 | |||
| 基22 | クロロホルム | 0.06 | |||
| 基23 | ジクロロ酢酸 | 0.04 | |||
| 基24 | ジプロモクロロメタン | 0.1 | |||
| 基25 | 臭素酸 | 0.01 | (可)** | ||
| 基26 | 総トリハロメタン | 0.1 | 不可 | ||
| 基27 | トリクロロ酢酸 | 0.2 | |||
| 基28 | ブロモジクロロメタン | 0.03 | |||
| 基29 | ブロモホルム | 0.09 | |||
| 基30 | ホルムアルデヒド | 0.08 | |||
| 基31 | 亜鉛及びその化合物 | 1.0 | 2) | 可 | |
| 基32 | アルミニウム及びその化合物 | 0.2 | 2) | ||
| 基33 | 鉄及びその化合物 | 0.3 | 2) | ||
| 基34 | 銅及びその化合物 | 1.0 | 2) | ||
| 基35 | ナトリウム及びその化合物 | 200 | 1)、2) | ||
| 基36 | マンガン及びその化合物 | 0.05 | 2) | ||
| 基37 | 塩化物イオン | 200 | 概ね1ヶ月に1回以上 | 3) | 不可 |
| 基38 | 硬度 (Ca,Mg) | 300 | 概ね3ヶ月に1回以上 | 1)、2) | 可 |
| 基39 | 蒸発残留物 | 500 | 1)、2) | ||
| 基40 | 陰イオン界面活性剤 | 0.2 | 1)、2) | ||
| 基41 | ジェオスミン | 0.00001 | 原因藻類発生時期に1ヶ月に1回以上 | ||
| 基42 | 2-メチルイソボルネオール | 0.00001 | |||
| 基43 | 非イオン界面活性剤 | 0.02 | 概ね3ヶ月に1回以上 | 1)、2) | |
| 基44 | フェノール類 | 0.005 | 1)、2) | ||
| 基45 | 有機物質 (TOC) | 3 | 概ね1ヶ月に1回以上 | 3) | 不可 |
| 基46 | pH値 | 5.8-8.6 | 3) | ||
| 基47 | 味 | 異常でない | 3) | ||
| 基48 | 臭気 | 異常でない | 3) | ||
| 基49 | 色度 | 5度 | 3) | ||
| 基50 | 濁度 | 2度 | 3) | ||
注1:検査の省略にあたっては、要求される検討事項があります。
1) 送配水施設において濃度上昇しないことが確認される場合は、浄水施設出口で検査可能
2) 一定の要件を満たす場合は、概ね年1回以上又は概ね3年に1回以上まで、検査頻度を減らすことが可能
3) 一定の要件を満たす場合は、概ね3ヶ月に1回以上まで、検査頻度を減らすことが可能
(可)* : 海水を原水とする場合を除く
(可)**: 浄水処理にオゾン処理を用いる場合及び消毒に次亜塩素酸を用いる場合を除く。

