水質基準の一部改正と水処理の最適化について
水質基準に関する省令の一部改正について
厚生労働省では、水道水の水質基準について「水質基準逐次改正検討会」を設置して検討を進め、厚生労働科学研究による研究成果や、食品安全委員会の健康影響評価等の知見等に基づき、新たな見直しの方向性を示しています。この3年間における水道水質基準の改正内容は以下のとおりです。
【水質基準に関する省令の一部改正】
平成21年4月1日施行
- 「1,1-ジクロロエチレン」に係る水質基準を廃止。(水質管理目標設定項目に位置づける。)
- 「シス-1,2-ジクロロエチレン」に係る水質基準を「シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン」に変更する。
- 「有機物(全有機炭素(TOC)の量)」に係る水質基準を3mg/L以下に強化する。
平成22年4月1日施行
- 「カドミウム及びその化合物」に係る水質基準を0.003mg/L以下に強化する。
平成23年4月1日施行
- 「トリクロロエチレン」に係る水質基準を0.01mg/L以下に強化する。
有機物の処理方式
有機物は水質汚染指標の一つで、トリハロメタン生成抑制の観点から3mg/L程度以下とすべきとして、今回の水質基準見直しに盛り込まれたものです。
有機物の処理方式には以下の方法があり、汚染原因物質、除去率(処理水質/原水水質)などにより、適切な処理方式を選択しなければなりません。

『出典:環境影響低減化浄水技術開発研究(e-Water)評価手法』
凝集処理の最適化
有機物処理のうち、凝集沈澱+急速ろ過(膜ろ過)方式では、高色度、高pH時の凝集条件が適切でなければ、アルミニウム濃度を増加させるリスクがあります。『第57回全国水道研究発表会(4-9)等』
一方、アルミニウムの水質管理目標値を0.1mg/L以下とすべきことも、あわせて公示されており、GT値調整、pH調整など凝集処理の最適化が重要となります。
水処理機能診断のご提案
凝集過程において、薬注条件・急速攪拌条件は処理水質を左右する重要な要件で、これまでに多くの研究成果が公表されています。私たちの知見によると、有機着色水の凝集ではG値だけではなく接触時間(T)も重要で、濁度、色度、pHに応じた最適なGT値の存在することが明らかとなっています。
私たちは、施設更新に先立ち水処理機能診断を行うことを提案します。既存の水処理状況を調査・分析し、最適な処理方式・運転方式に改善することで、処理水質の向上とあわせて、運転管理の確実化・容易化、コスト低減を図り、水道ビジョンに示された「安心」「安全」「持続」「環境」、ならびに市民サービスの向上、あわせて世界に誇れる水道の実現に資することができると確信します。
pH調整、凝集設備更新などの主要な業務実績
| 年度 | 発 注 者 | 業 務 名 称 |
|---|---|---|
| H10 | 栃木県企業局 | pH調整装置設置工事設計業務委託 |
| H12 | 神奈川県企業庁 | 寒川浄水場原水pH調整施設詳細設計業務委託 |
| H12 | 埼玉県企業局 | 硫酸注入設備実施設計業務委託 |
| H14 | 滋賀県企業庁 | 東南部上水道供給事業(甲賀地区)薬品注入設備更新設計業務委託 |
| H14 | 福岡県大牟田市 | 高度浄水施設導入に係る原水水質調査業務委託 |
| H15 | 北海道北見市 | 広郷浄水場施設整備実施設計委託その1 |
| H15 | 北海道千歳市 | 急速混和池・薬注設備改良実施設計委託 |
| H18 | 京都市 | 原水pH調整設備及びろ過池洗浄排水処理に関する基本設計委託 |
| H19 | 千葉県君津広域水道企業団 | 硫酸注入設備実施設計業務委託 |
| H19 | 北海道室蘭市 | チマイベツ浄水場更新実施設計委託 |

