【調査・計画・設計】ルワンダ国キガリ市上水道改善マスタープランプロジェクト

1.プロジェクトの背景

ルワンダ国は四国の1.5倍ほどの小さな内陸国ですが、一番の特徴は高度が900m~4,000mという起伏の激しい地形です。水道を運営している水衛生公社(以下WASAC)は、包括的な給水計画や施設設計指針がない状態で施設計画がなされ、既存の給水システムは非常に複雑で、効率的な運用や運営維持管理を困難にしています。WASACは送配水における水量・水圧を適切に管理できておらず、高いエネルギー消費や、サージング(管内圧力の急変)により引き起こされる管路の損傷が発生し易い状況に繋がっています。さらに管路、弁類の破損は無収水率を高める一因となっている状況です。今後急速に増加する水需要に対し、現在の水源からは十分な水量を確保できないという状況は深刻な懸念材料と考えられています。

このような背景の下、キガリ市と周辺7セクターで増加する水需要に適切に対応するため、WASACは既存施設の改善や新規施設開発と効果的かつ効率的な水源利用を行うための包括的な計画「キガリ市上水マスタープラン」を至急策定することを目的とし、本プロジェクトが実施されることとなりました。

2.プロジェクトの概要

キガリ市とその周辺セクターを対象地域とし、既存上水道施設の現状分析や水需要予測等を通して2050年を計画目標年次とした上水道マスタープランの策定、及び優先プロジェクトの実現可能性の検証を実施することによる、先方実施機関の人材育成・能力強化を実施しています。

湧水の水汲み場
前日の雨で水汲み場も濁ってしまっている

キガリ市には丘陵部がいくつもあり
丘の間の低地では農作が行われている