【調査・計画・設計】スリランカ国水セクター開発事業(Ⅲ)準備調査

1.プロジェクトの背景

西部州のコロンボ県及び隣接するカルタラ県では、独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援を通じ、カル河水系の上水道施設が段階的に整備されていました。しかしながら、急激な人口増による水需要の増加に、上水道施設の整備が追いついていませんでした。

同地域での2020年における水需要量と水供給量のギャップは100,000m3/日以上に拡大することが予想されていました。また、同地域における既存の送・配水管には50年から100年を経過しているものも多く、老朽化した管路からの漏水などの要因により、無収水率が全国平均の31%を上回る40%となっていました。そのため、対象地域では増加する水需要を満たすため、①カル河水系の上水道施設の給水能力増強、及び②既存送・配水管の更新・修繕による給水効率の改善が、緊急課題となっていました。

こうした背景の下、都市化の進む西部州コロンボ県及びカルタラ県において、既存のカル河水系上水道施設の拡張とともに、対象地域内でも特に無収水率の高いデヒワラ、モラトワ地区で送・配水管路のリハビリテーションを行うための事業「水セクター開発事業(Ⅲ)」が計画されました。

2.プロジェクトの概要

本プロジェクトは、想定される事業が円借款として実施されるために必要な審査項目(事業の目的、事業スコープ等の概要、事業費、事業実施体制、環境及び社会面の配慮等)について、必要な調査を行いました。

  • カル河水系の上水道施設の拡張
  • デヒワラ、モラトワ地区での既存送・配水管の更新・修繕等による無収水率の削減

スパゲティパイプの様子
(敷設状況が悪く漏水の原因となっている)

Kandana浄水場の水源であるカル河