海外ビジネス展開事業に対する技術支援

1.背景・目的

発展途上国においては、経済成長に伴って水質汚濁や大気汚染等の環境汚染が深刻化しており、公衆衛生を保全する観点からも、それらへの対策が喫緊の課題となっています。一方で、2015年にはパリ協定が採択され、日本を含む先進国を中心に2050年ネットゼロ(2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を実質ゼロにすること。脱炭素化ともいう)が表明されています。

このような脱炭素化社会を目指す世界の流れの中では、発展途上国において経済成長と環境保全の両方を満たしつつ、さらにGHGの削減にも取り組む必要があります。

日本国では、各企業により開発された省エネ型・低炭素型の環境保全技術の現場への導入が進んでいますが、国内でプラント等が新規整備される機会は減少してきており、海外にビジネスチャンスを見出す企業も少なくありません。

そのような企業の海外展開に対して、本邦機関が提供する補助事業等を活用しながら、支援事業への応募段階から事業実施までをサポートします。

2.検討手順・ポイント

(1)情報交換

海外へのビジネス展開について、本邦機関が提供する補助事業の活用を検討(希望)されている企業様は、一度ご相談ください。当社にて、候補となる補助事業やさらに検討していただくべき内容等について助言いたします。

(2)基礎検討・調査事業への応募

1)基礎検討

基礎調査として事前に情報収集を行い、応募する補助事業や実施地域を選定します。現地における課題を把握するとともに、提案技術・事業によってその課題が解決されるか、事業性が確保できそうかを、この段階である程度把握することが重要です。当社では、海外支店等を活用して現地の法制度等に係る情報提供を行い、この基礎調査を支援します。

2)事業への応募

実際に補助事業に応募する場合には、提案書の作成が必要不可欠です。各補助事業の応募倍率は非常に高い状態が続いていますが、提案書の質を高くすることが採択への近道となります。当社では、過去に採択に至った多くの経験を活かし、応募書類の作成を支援いたします。

(3)FS調査の実施

補助事業に採択されると、各種契約を経てFS調査が開始されます。FS調査は短期間で成果を出す必要があり、スケジュール管理や関係者との連携が重要となります。現地での事業性確保や市場性を検討・評価するとともに、パートナー企業の探索や現地行政機関等との調整が必要となるため、当社においては事前に役割分担を明確化したうえで、FS調査の実施を支援いたします。

(4)調査実施報告・精算

調査終了時には、成果として報告書やプレゼンテーション資料の作成が求められます。また、調査で要した費用等を精算するための書類作成も必要です。これらの成果物が適切に作成・提出されない場合には、補助が適用されない場合もあるため要注意です。当社では、これらの作成を支援いたします。

(5)次の展開に向けた事業の検討

検討されている企業様にとっての最終的な目標は、「海外でのビジネスによって利益を創出すること」です。前段の事業において、現地でのビジネス展開の可能性が確認できれば、次の展開に向けた戦略を検討していく必要があります。当社では、マーケット開発・プラント計画~施工・経営面での支援等により、次の展開に向けたフォローアップを行います。

3.応募先に関する情報(事例)

2022年現在(年度によって補助事業名は変わる場合があります。)

関係機関 補助事業名の事例
環境省 アジア水環境改善モデル事業、マルチベネフィット達成促進事業
独立行政法人国際協力機構(JICA) 中小企業・SDGsビジネス支援事業
公益財団法人地球環境センター(GEC) JCM調査事業
公益財団法人廃棄物・3R研究財団 循環経済にかかる廃棄物分野の海外展開実現可能性調査