AIST-SHANEL1)とは国立研究開発法人産業技術総合研究所が開発した「産総研-水系暴露解析モデル」(AIST-Standardized Hydrology-based AssessmeNt tool for chemical Exposure Load)の通称で、流れ解析は元より、当初は界面活性剤をはじめとする化学物質の水圏中濃度(河川水中濃度および河川底質濃度)を推定するために開発されました。このモデルは一次元の移流拡散方程式と分配係数による固液平衡、生物分解、沈降巻き上げ等の挙動が考慮され、気象データ、化学物質の排出量、化学物質の物性を入力することで、3次メッシュ(約1kmメッシュ)単位の河川水中濃度を予測することができるものです。
中央研究所ではAIST-SHANELのカスタマイズに係る対応を実施してきました。これまでに流れ解析に基づく未処理の生活排水の希釈倍率の定量化2)に加え、水質解析としての界面活性剤の水系暴露解析3)、東日本大震災での福島第一原発事故に伴い放出された放射性物質の挙動解析4)、化学物質の漏洩事故による下流河川での影響評価5)、休廃止鉱山の坑排水による下流河川での影響評価6)、の実績を有しています。
AIST-SHANELは、日本全国の水系の水質予測に必要なデータを具備しております。企業や地方公共団体、教育機関、NPO関係者が比較的容易に利用でき、水理公式集2018年版(土木学会)7)にも掲載されましたので、今後の適用のニーズは年々増えていくものと思われます。
参考文献
1)国立研究開発法人 産業技術総合研究所:水系暴露解析モデルAIST-SHANEL Ver.3.0
2)国立研究開発法人 産業技術総合研究所:水系暴露解析モデルAIST-SHANEL Ver.3.0 適用事例
3)石川百合子・川口智哉・東野晴行:産総研-水系暴露解析モデル(AIST-SHANEL)による日本全国の1級水系を対象とした化学物質濃度の推定, 水環境学会誌 Vol.35, No.4, pp.65-72, 2012.
4)石川百合子・川口智哉・保高徹生・東野晴行:阿武隈川水系における放射性セシウムの数値シミュレーション, 水環境学会誌 Vol.37, No.2, pp.29-43, 2014.
5)石川百合子・川口智哉・東野晴行:国内の任意水系を対象にした化学物質リスク評価のための産総研-水系暴露解析モデル(AIST-SHANEL) Ver.3.0, 水環境学会誌 Vol.40, No.5, pp.199-208, 2017.
6)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構:休廃止鉱山における鉱害防止対策の効率化・費用低減化等のために必要な技術開発
7)水理公式集2018年版, 土木学会
当社社員は、様々な学会等の活動に従事しています。
2022年度
学会等の名称 | 委員会名等 | 所属 | 名前 |
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(公社)土木学会 | 地震工学委員会 水循環施設の合理的な地震・津波対策研究小委員会 | インフラマネジメント本部国内インキュベーション事業部 | 小西 康彦 |
インフラマネジメント本部国内インキュベーション事業部構造設計部 | 山崎 和貴 | ||
コンサルティング本部 | 大峯 秀一 | ||
コンサルティング本部水道事業部 | 宮本 勝利 | ||
コンサルティング本部水道事業部東部水道部 | 今村 健一 | ||
コンサルティング本部水道事業部西部水道部 | 福山 正彦 | ||
コンサルティング本部下水道事業部東部事業マネジメント部 | 福永 健一 | ||
環境工学委員会 | 中央研究所 | 野田 慎治 | |
環境工学委員会 水インフラ更新小委員会 | コンサルティング本部水道事業部 | 宮本 勝利 | |
福原 勝 | |||
環境工学委員会 上下水道におけるIoT・ICT・AI活用小委員会 | インフラマネジメント本部国内インキュベーション事業部DXソリューション部 | 後藤 光彦 | |
富永 昌伸 | |||
構造工学委員会 若手構造技術者連絡小委員会 | インフラマネジメント本部国内インキュベーション事業部構造設計部 | 山崎 和貴 | |
水工学委員会 水害対策小委員会 | コンサルティング本部河川事業部西部河川部 | 本橋 健 | |
(公社)日本水環境学会 | 身近な生活環境研究委員会 | 中央研究所 | 清水 康生 |
将来の水環境変化に対応した水供給システム研究委員会 | |||
地域水環境行政研究委員会 | |||
(公社)日本水道協会 | 水道施設耐震工法指針・解説改訂特別調査委員会小委員会 | コンサルティング本部水道事業部 | 宮本 勝利 |
コンサルティング本部水道事業部東部水道部 | 今村 健一 | ||
コンサルティング本部水道事業部西部水道部 | 福山 正彦 | ||
コンサルティング本部機電事業部西部機電部 | 園田 康雄 | ||
(一社)電気学会 | 公共施設技術委員会 上下水道施設における設備保全・維持管理技術」調査専門委員会 | インフラマネジメント本部国内インキュベーション事業部DXソリューション部 | 後藤 光彦 |
公共施設技術委員会 上下水道施設におけるリスク低減への取組に関する技術調査専門委員会 | コンサルティング本部機電事業部東部機電部 | 武野 康子 | |
ISO(国際標準化機構) | TC282(再生水規格技術委員会)エキスパート SC1(灌漑利用部会) SC2(都市利用部会) SC3(性能評価部会) SC4(工業排水部会) |
中央研究所 | 村上 孝雄 |
文部科学省科学技術・学術政策研究所 | 科学技術予測・政策基盤調査研究センター | コンサルティング本部環境・資源部 | 濱谷 義晃 |
(公社)日本下水道協会 | 「小規模下水道計画・設計・維持管理指針改定調査専門委員会」事務局(水コン協メンバーとして参加) | コンサルティング本部下水道事業部東部計画管路部 | 内田 賢治 |
コンサルティング本部機電事業部東部機電部 | 木全 達哉 | ||
齋藤 一之 |
当社は、以下の大学や機関等に社員を講師として派遣しています。
2022年度
大学名等 | 講義名称 | 備考 | 所属 | 名前 |
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北海道大学 工学部 環境社会工学科環境工学コース | 水道・下水道システムにおける設計製図 | (公社)全国上下水道コンサルタント協会経由 | コンサルティング本部水道事業部東部水道部 | 山田 寛之 |
コンサルティング本部水道事業部北海道水道部 | 平位 直也 | |||
高橋 裕作 | ||||
コンサルティング本部水道事業部東北水道部 | 木村 龍 | |||
コンサルティング本部水道事業部名古屋水道部 | 杉浦 純一 | |||
藤井 俊二郎 | ||||
東京大学 農学部 生物・環境工学科 | 水処理工学 | 中央研究所 | 村上 孝雄 | |
岐阜大学 工学部 社会基盤工学科 | 水理・水文学の現業への適用 | 中央研究所 | 川口 智也 | |
大阪大学 工学部 環境・エネルギー工学科 | 気象・水文学 | 中央研究所 | 川口 智也 | |
早稲田大学 商学部 | 「水」ビジネス論 | 日水コン寄附講座 | 代表取締役副社長 | 野村 恭悟 |
インフラマネジメント本部国内インキュベーション事業部事業戦略部 | 久保 宜映 | |||
地域統括本部東部統括部東北支所 | 佐々木 俊郎 | |||
コンサルティング本部水道事業部 | 若松 亨二 | |||
コンサルティング本部水道事業部東部水道部 | 三迫 陽介 | |||
辻 亜紀子 | ||||
梶原 徳晃 | ||||
西川 峻登 | ||||
コンサルティング本部下水道事業部 | 小南 太郎 | |||
金海 秀紀 | ||||
コンサルティング本部下水道事業部東部事業マネジメント部 | 山本 整 | |||
コンサルティング本部下水道事業部名古屋下水道部 | 大幸 和佳奈 | |||
コンサルティング本部海外事業部海外水道部 | 松原 康一 | |||
中央大学 理工学部 人間総合理工学科、都市環境学科 | 水環境工学 | (一社)Water-n経由 | インフラマネジメント本部国内インキュベーション事業部DXソリューション部 | 富永 昌伸 |
コンサルティング本部下水道事業部東部施設部 | 津島 優樹 | |||
東京家政大学 家政学部 環境教育学科 | 環境分析実験Ⅰ「環境女子による水辺調査 with 水環境健全性指標」 | ゲストスピーカー | 中央研究所 | 清水 康生 |
関西大学 環境都市工学部 都市システム工学科 | 都市環境工学実験 浄水場の詳細設計事例(地盤を中心に) | コンサルティング本部水道事業部西部水道部 | 福山 正彦 |